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呼吸を整えると、自律神経のバランスに影響する

自律神経を整えると「だるい・ストレス・不眠・不安・肌荒れ・便秘・免疫力低下」…男女問わず様々な心身の不調は、自律神経を整えると改善する、とまで言われています
 
ではどうやって自律神経を整えればいいのでしょうか?
 
自律神経を整える方法があれば悩みがなくなりそうですが、残念なことに自律神経は自分でコントロールすることができません。
 
しかし、意識的にコントロールできる方法がひとつあります。それが「呼吸」です
“自律神経とは”

自律神経は交感神経神経と副交感神経という相反する働きの二つの神経から成り立っています。

・交感神経=活動

・副交感神経=リラックス

といったイメージです。

息を吸うときは交感神経

息を吐くときは副交感神経が働きます

緊張したときや、仕事が一段落ついたとき「ふーーーっ」と深呼吸したりしますが、それは交感神経をしずめて副交感神経の働きを高めるための行動です

緊張したときのおまじないにある「人という字を3回書いて飲み込む」というテクニックじつはこれも「呼吸」が関係しています。

人という字を3回書いて飲み込むというのは、息を3回吸い込むということと同じだからです。

字を飲み込むことで自然と深呼吸をすることになるのですね。

このように、昔からのおまじないに使われるくらい呼吸には効果があるのです。

しかし現代ではパソコンを使うデスクワークやスマホを見るときの前傾姿勢により浅く短い呼吸になりがちです

呼吸が浅くなると交感神経が優位に働きやすく、自律神経のバランスがくずれ免疫力の低下や疲れやすさを引き起こす原因になります。

呼吸の仕組み

自律神経を整えるには呼吸が大事とお伝えしましたが、そもそも呼吸ってどうやってしているのでしょうか

呼吸の仕組みを知り、理解を深めることによってより施術に生かせるようになります。

なのでまず呼吸の仕組みからお話ししていきます。

”まず呼吸ってどういうイメージを持っていますか?”

空気を入れて、吐き出すこと。といった感じのイメージじゃないでしょうか、そうです。呼吸とは簡単にいうと空気の出し入れなんですが、

空気をいれるときに、「肺をみずから膨らませる」というイメージがありませんか?

しかしこの解釈は間違っています。実はわたしたちは自分自身で肺を膨らませることはできません。

肺は筋肉ではないので自分の意思で動かすことができません。

物を持ち上げたり投げたりと筋肉を動かすときは自分の意思で動かすことができますが、どんなに力を入れようとも肺は動きません。

ではどうやって肺が膨らむのかというと、吸引力を使って肺の中に空気を取りいれることによって膨らませています。

風船をイメージすると分かりやすいと思いますが、風船は空気を入れることによって膨らみ、空気を出すことによってしぼみます。

肺も風船と一緒で空気を入れることによつて肺が膨らみ、空気をだすことによって肺が小さくなります

先ほど肺は風船のようなものだ、という説明をしましたが、実際には風船のように外側から空気をいれてくれるモノが肺にはありません。

なので自ら空気を吸い上げる必要があります。そう、吸引力が必要となってくるのです。

空気を吸い上げるために必要となるのが筋肉。それが呼吸筋の存在です。

息を吸うときに必要となる筋肉ですが、この呼吸筋と言われるものは主に「横隔膜」といわれる筋肉です。

横隔膜を使った空気を吸引方法ですが、具体的には

息を吸うときに横隔膜がさがり、

肺が入っているスペース(胸郭)が広がることで、空気が入ってきます

肺に空気を吸引して肺を広げるわけですが、ここで気付きませんか? 肺を広げるとき同時に胸郭まわり、つまり肋骨が広がらなければ肺を膨らませることができないことに……!

つまり、スマホ姿勢やデスクワーク姿勢だと呼吸に使う筋肉が凝り固まってしまい呼吸がしずらくなってしまうのです。

姿勢が悪いと呼吸がわるくなる

そのため姿勢が悪いと、効率よく空気が吸えません

それはなぜかというとスマホやパソコンなどで姿勢が悪くなると肋骨まわりの筋肉がかたくなるからです。

肋骨まわりの筋肉がかたくなると、肺が膨らむスペースが小さくなり、呼吸が浅くなってしまいます。

これは深呼吸をするときのポーズですが、

息を吸うときに胸をひろげて、息を吐くときには胸をしぼめています。

このようなポーズで深呼吸をするのには、じつはちゃんとした理由があって、

胸をひろげる→空気がいっぱいとりこめる

胸をしぼめる→にごった空気をよりいっぱい吐き出せる

と、このポーズにはちゃんと意味があるのです。

この姿勢で深呼吸をおこなうと、

お腹と胸の両方を使って呼吸をすることができるので理想的な「深い呼吸」をすることができます。

お腹と胸を使うことでたくさんの空気を取り入れることができ、カラダの中の淀んだ空気をたくさん吐き出すことができるからです。

このように、

理想的な呼吸はお腹と胸を使っておこなうことなのですが、普段の生活では深呼吸のポーズで呼吸をすることはむづかしいです。

そのため、

多くのひとはお腹だけの呼吸だったり、胸や首だけの胸式呼吸だったりして、お腹と胸の両方を使う呼吸ができていません。

その理由の一つに姿勢が関係してくるのですが、それがスマホ姿勢といわれる前傾姿勢した姿勢です。

背中が丸まった前傾姿勢になると肋骨が硬くなり、お腹と胸どちらも同等に使う「深い呼吸」をすることができません。

だからこそ、

「深い、いい呼吸」をするためには肋骨の柔軟性が大切になってきます。

(閑話)息を吐くときは筋肉活動は起きていない?

空気を吸うときは横隔膜という筋肉を使い、息を吸うのですが、息を吐くときは筋肉を使っていません。
息を吐くときは引き下げた横隔膜が自動的に戻ってきているだけなのです
 
そのため、
 
息を吐くときは吸うときよりも呼吸が短くなってしまっていることが多く、自律神経を整えるためには意識して息を長く吐くこということも大切になってきます。

肋骨動いてる?チェック方法

肋骨(胸郭まわり)がかたまっているかを簡単にチェックする方法があります
これは、自分の呼吸をチェックするほうほうですが、お客様の呼吸を見る場合にも肩で息をしているかどうかを見ると判断しやすいです。
 
座っているときや会話しているとき肩が動いて呼吸をしている方は、肋骨がかたくなっているという目安です。
 
そのほかの判断方法として、
施術中こんな感じで呼吸が乱れている方も肋骨が固まっていることが多いです。
 
姿勢やカラダの動きで判断できない場合は、仕事や日中の過ごし方を聞いてあげるのも一つの方法です。
 
ほぼパソコンに向かっているという方や、スマホを長い時間みるという方も肋骨が固くなっていそうだな、という目安になります。

肋骨が硬いお客様への対応

胸鎖乳突筋や斜角筋など上半身をマッサージで緩めてあげることがおすすめです。
 
肋骨まわりの筋肉が硬くなっているため、肺の広がるスペースがなくなっているからです。筋肉をほぐして柔軟性をあげることで肺の広がるスペースを広げることができます。
 
また吐く呼吸をうながしてあげることも大切です。
息が浅くなっているひとは自動的に交感神経が優位になっているため、吐く息が普段より短くなっています
 
また、
「息を吐くときは筋肉を使わない」と先ほど説明しましたが、だからこそ息を吐くことを意識させてあげる必要があります。
 
①肺が広がるスペースをゆるめてあげて、
 
②自発的に呼吸を意識させる
 
そうすることで無意識でも深い呼吸ができるようになり、呼吸をしやすい状態に持っていくことができます。
 
「呼吸が整う」=つまり自律神経を整えることができるのです。
 
自律神経が整うと普段のマッサージの効果もあがり、リラックスできるのでお客様の満足度もあがりますよ。

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